防犯カメラってテロ対策に有効?ー抑止力になる場合とならない場合のブログ記事

April 4, 2016

日本においてテロ対策と言えば防犯カメラが浮かぶ方も多くいらっしゃるかと思います。実際日本の防犯カメラの設置数は増加の一途を辿っており、一説によると300万台以上ともされています。たしかにその存在感による犯罪抑止力はある程度の信頼を得ているものと思われます。これらはイスラム過激派によるテロ対策にも有効なのでしょうか。また期待できる効果は何なのでしょうか。

 

期待される防犯カメラの役目

①テロの未然防止のための抑止力

防犯カメラの存在によって、実行犯の検挙は以前よりも容易になりつつあります。実際2013年に発生したボストンマラソン爆破テロの際には、現場付近の防犯カメラの映像が決め手となり犯人逮捕に至りました。

こうした「防犯カメラの存在=犯行後に検挙される可能性が高い」といった観点から犯行をためらわせることが期待できます。日本でも防犯目的のダミーカメラ(実際に映像の撮影はされていないが、その存在感により犯行をためらわせるカメラ)が販売されており多くの家庭、企業等で使用されています。このようにテロを起こさせないためのものとしての役目つまり、テロの「未然防止」としての役割がまずあります。

未然防止とはテロ対策のひとつで、テロを起こさせないことを目的とした対策になります。この詳細やその他の対策についてはバックナンバーでご紹介いたしました。

 

②犯行後の犯人の検挙率の向上

上述したように2013年のテロでは防犯カメラの映像が決め手となり、犯人の逮捕に至りました。そのほか、過日発生したベルギーでの連続テロでも犯人の映像が公開され、映像の人物と思われる男をベルギー当局が拘束しています。

日本においてもひき逃げ事件等における逃走車両の車種、ナンバーの特定につながった事例も多くこうした逃走した犯人の拘束へ向けた効果が期待されます。

 

防犯カメラはイスラム過激派には効かない?

防犯カメラの設置により以上のような効果が期待できます。ひとつが「抑止力」もうひとつが「犯行後の犯人検挙」です。ではこうした効果は現在世間を騒がせているISISをはじめとしたイスラム過激派には有効なのでしょうか。

 

①未然防止にはなりにくい

結論から言うと、無差別テロを志向するイスラム過激派にとって防犯カメラの存在が抑止力になることはありません。というのもこうしたテロリストはテロを起こして市民を殺傷すること自体を目的としている場合が多く、犯行後の逮捕を考慮していないケースや、テロによる「殉教」を厭わない等自身の生命の危険を顧みないケースがほとんどと言えます。そのためたとえ拘束の可能性が高くてもそれによって犯行をためらう可能性は低いと考えられます。

たとえばアルカイダは「いかなる犠牲を伴っても米国人を殺害せよ」という方針を掲げています。こうした殺傷行為自体を目的としているテロ組織の場合、犯行自体が失敗するという可能性は考慮する必要がありますが、犯行後の自身の拘束の可能性は考慮に入れていない場合が多いでしょう。そのためテロの未然防止、あるいは発生してしまった際の被害抑制の対策を別途施す必要があると言えます。

 

②犯行後の犯人検挙には期待できる

先に述べた2013年のボストンマラソンでのテロやベルギーでの連続テロでは、犯行前後の現場付近の防犯カメラの映像が決め手となり、犯人逮捕に至りました。また、防犯カメラではありませんが、ボストン事件の際、警察は高感度赤外線カメラを使用しボート内に隠れているテロリストの発見、拘束に至りました。このように犯行後の犯人検挙には防犯カメラや映像デバイスの一定の効果が期待されます。

 

防犯カメラ以外で取るべき対策がある

以上を踏まえると防犯カメラはイスラム過激派にとって「テロの未然防止にはなりにくいが、犯行後の犯人検挙には効果的である」ということになります。つまりテロの未然防止や発生してしまった際の被害抑制には別途対策を取る必要があるということになります。

日本の企業が取るべきテロを未然に防ぐための方策、被害を抑えるための方策について後日お伝えしたいと思います。

 

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