ISISとアルカイダは何が違う?

こんにちは、ネコテックインダストリー対テロ調査チームアナリストの桃井です。

今回はISISとアルカイダの違いについて述べていきたいと思います。

イメージとしてはどちらもイスラム過激派組織であり、反西欧文明を掲げ爆弾テロ等の手段で市民を無差別に殺傷する組織といったところでしょうか。

ただISISはアルカイダから破門宣告を受けており、この二つの組織は反目しあっているという実態もあります。それはなぜなのでしょうか。

これについて中東・ユーラシア地域のテロリズム研究を長年行っているJamestown Foundationの記事(www.jamestown.org)の概要をご紹介したいと思います。著者のMichael W.S. Ryan氏は中東地域のテロリズム研究を専門とされている方になります。

ー概要についてー

アルカイダとISISは同じサラフィー派の原理主義勢力であり、またその戦術も非常に似通っている。両者とも否定しているがISISは実際アルカイダの首領ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)の指導を受けていた。宗教面においてはそう大きな違いはないと言える。

わかりやすい相違点を挙げるとするならばそれぞれの戦略や支配構造が異なる点である。

戦略

アルカイダ:それぞれの原理主義勢力が地元の戦闘に従事

ISIS:積極的な外部展開

アルカイダの戦略では系列の原理主義勢力にそれぞれの担当地域があることが前提になっていた。それによるとISISはあくまでも地元のイラク国内での戦闘に従事すべきでシリアや外国での戦闘へは他の勢力に任せるべきというものだった。一方のISISは積極的にシリアをはじめとした外国に展開し欧州においてもテロ活動を続けている。

政権発足のタイミング

アルカイダ:中央政府を完全に倒してから

ISIS:ある程度の地域を掌握したらその時点で国家樹立を宣言

アルカイダの計画では自分たちが地域を掌握するために3つの段階に分かれるとされている。第一段階がテロとゲリラ戦で政府軍や米軍を疲弊させ撤退させること、第二段階がこうした軍が撤退した地域を押さえること、第三段階が中央政府を転覆させ自分たちの政権を発足させることである。ISISはシリアにおいてアサド政権が健在にもかかわらず国家樹立を宣言した点でアルカイダの計画に反している。

他の原理主義勢力との関係

アルカイダ:各地域の原理主義勢力と協力

ISIS:単独での支配を強調

アルカイダは上述の通り地元の原理主義勢力とのネットワークによる国家掌握を目指しているが、ISISは他の勢力も敵と見なし協力を拒んでいる。国家樹立後も単独での支配を強調している。

ー概要おわりー

宗教的な面はそれほど両者とも変わらずどの地域で戦闘を行うのか、他の組織との関係をどうするのかといった戦略面での違いが大きいということになります。

どちらもテロやゲリラ戦を主体とする勢力ですが、ISISの方がより急進的と言えるかと思います。

この二勢力の強調関係の可能性については「どちらかの組織の戦略や統率力の変動を必要とするため難しい」のではないかとRyan氏は見られているようです。

桃井康太

ネコテックインダストリー

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#ISIS #アルカイダ #イスラム原理主義

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